ハートランドの「のみのみくいくい」

信州の酒を勝手に応援する連合会

東北関東大震災・周辺地域レポート。(3/11金)

まず今回お亡くなりになった皆様に哀悼の意を表すと共に、被災された皆様へお見舞いを申し上げます。
 
私は3/11(金)に関東北部で「東北関東大震災」に遭遇しました。
当地は被災地ではなく周辺地域になりますので、被害は少なかったのです。
しかし、県内で数名の死者が出たそうです。
報道は被災地が99%ですが、それは必要な事なので仕方ないものです。
周辺地域にいる私は、何が起きたのか自分の記憶が薄れないウチにまとめておきます。
 
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14:45ころ、設計フロアを歩いていたら誰かが言いました。
  「地震じゃない?」
一瞬後、歩いていても感じる震度3くらいの揺れ。
  「ああ、揺れてる揺れてる」
普段なら2~3秒で収まるその揺れが・・・収まらない??
  「ヤバイ!!」
ダッシュで外に飛び出しました。途端に揺れが強くなりました。

事務所からは皆が飛び出して来ました。
コピー機の入替に来ていた業者さんたちが機械を押して出てきました。
  「(コピー機は)放っとけ! 出ろ!!」
大声で叫んで建物から離れました。

揺れる揺れる!
震度5? いや6か?
あまりの揺れに立っていられない! 思わず道路に座り込みました。
建物がユサユサ揺れています。
工場の高い位置の窓がバタンバタンと音を立てています。
駐車場の車が、それぞれ勝手な動きでものすごいダンス?をしています。
2~3分? 5分ほどか? 揺れが続いたと思います。
 
管理係の女性が座り込んで、ショックで泣きながら浅い呼吸でハアハアしています。
過呼吸のようなので、背中をさすりながら声を掛けます。
  「大丈夫大丈夫、もう大丈夫」
  「一度息を止めて~、ゆっくり吸って~!」
別の女性がとんできて、抱きしめて落ち着かせます。

揺れが収まり、しばらくした所で点呼が開始されました。
課ごとに集合し、係長がカウントします。
座り込んで立てない彼女のことを係長に報告します。
それを集計し課長に報告、課長がまとめて部長に報告します。
部長がトランシーバーで、正門保安に設置された対策本部に連絡します。
毎年面倒くさいと思った避難訓練がホントに役立ちました。

ここからが長かったです!
避難訓練なら30分で終わりですが、ずっと「待ち」です。
天気は良かったけど、風は強いくて寒いです。
施設部門のメンバーが、ヘルメット姿で工場内をチェックして歩いてます。
課長と部長が本部に呼ばれて、すっ飛んで行きました。
震度3~4の余震が頻発しています。

ふと足裏に縦揺れを感じました。
アレ? 縦揺れ? 縦揺れってこんなにしっかり感じるものか?
・・・強くて長い縦揺れ??
ヤバイ!
すぐに道路に座り込みました。
強い横揺れが来ました。
  「座れ! 座れっっ!」
揺れる揺れる!
さっきよりは小さいですが、震度5クラスと思います。
十分に大きい揺れです。

課長が持ち出した非常持出袋内の「手回しラジオ」でNHKを聞きます。
岩手で高さ4mの津波が来たとか、 高さ10mの津波が予想されるとか・・・すごい話です。

地震直後、皆があちこちに電話してました。
発信規制が掛かっているらしく、なかなかつながらないようです。
それが一段落したようなので、実家に電話してみたら親父殿が出ました。
向こうもちょっと揺れたようですが、大した事はないようです。
何とかこっちの無事を伝える事ができました。
 
ヒゲのK主任は、
  「会議室にいたら、グラグラッと来たからドアを開けなきゃって開けて、そのまま出て来たよ~!」
別の人は、
  「設計フロア真ん中辺の天井が落ちてきてさあ!」
  「ええ~!」

構内放送では「危ないから建物内に入るな」と言ってます。
役職者が、職場内に残存者がいないか、建物内を確認に行きました。
しかしトイレに行きたい連中が、避難エリア目の前のトイレにそろりそろりと行ってます。
私も我慢できずにトイレに行きました。
停電しているのでフロア内は薄暗く、足元に消火器が倒れています。
・・・あの辺が天井が落ちている辺りかな。
トイレは断水しているので水が流れません。
外に出てきて、また「待ち」です。

構内放送で、お取引先のトラックや車に退場の許可が出ました。
  「停電で信号が動いていないので注意して下さい」・・・という内容でした。
コピー機屋さんたちは、出入口付近に放置した旧型機をトラックに積み始めました。
その車を出すために、なぜか私が車トラックを誘導しました。

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地震発生から約2時間。
部長より指示がありました。
  「順にロッカーに行って、着替えを持って自分の車に行くこと」
  「車の窓を開け、構内放送が聞こえるようにして待機する」
  「現在、出張先に移動している人を含め、国内出張は全て中止」

ロッカーや自宅の鍵を取りに、短時間だけ事務所に入ります。
何が落ちてくるか解らないので、入る人間は全員ヘルメットを被ります。
全開にしたシャッターから、いろいろ散らばった工場内が見えます。
作動テストしていたロボットは停電? サーボトラッキングエラー? で停止しています。
隣のシャッターは、下半分がレールから外れてめくれあがっています。
私は現場に行くメンバーに混じり、事務の女性を先導して入りました。
工場内は開けたシャッターから入る光で何とか見えます。
あちこちで消火器が倒れ、消火栓の扉が開いてホースが飛び出しています。
壁の石膏ボードの欠片らしきモノが散らばっています。
積んであった安全柵が崩れています。
停電しているので、奥の事務所内はほぼ真っ暗です。
常に作業着の胸ポケットに入っているミニマグライトが役立ちました。
事務所内はファイルが床に散乱していて、明かりが無いと歩けません。
取り合えず私物バッグを拾い、女性を先導して外に出ました。

その後、順番にロッカーへ行きましたが、もちろんロッカーも停電してます。
  「見えるか~」
皆の鍵穴やロッカー内を照らしてやります。
自分のダウンジャケットとズボンを取り、靴だけ履き替えて外に出ます。
車に行って作業着から私服に着替え、エンジンを掛けラジオを点けました。

17時頃、構内放送がありました。
  安全に注意して帰宅するように。
  月曜日(3/14)は自宅待機とする。
・・・との事でした。

それを受け、続々と車が動き出します。
しかし工場外の道路がものすごい渋滞です。
ここで出てもそれに巻き込まれるだけなので待機することにしました。
妹夫婦からほぼ同時にケータイメールが届きました。
無事を伝えるメールを返したら、「ほっとした」とのメールが帰ってきました。
実家の近所に住んでいるのに、実家に電話がつながらないらしいです。
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←3/11 18:22
  駐車場内。
  停電しています。
  ライトは車です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

18時半、会社を出てアパートメントに向います。
停電しているので、道路の信号機が全部消えています。
気合と譲り合いで交叉点を突破します。
会社近くのスーパーは閉まっていましたし、近くの道路で水漏れが起きていました。 
その後、上手い具合に渋滞に捕まらず、スイスイと走れました。
一部のバスが動いているようでした。

自宅近くの711は停電している中、駐車場に車が一杯です。
もしかして緊急で営業しているのかもしれません。
近くの711系のスーパーに行きました。
閉まっているみたい・・・と思ったら、店員さんが呼びに来ました。
正面入口で緊急営業しているとの事です。
行ってみると、真っ暗な中に50~70人くらいのお客が駐車場に並んでいます。
飲料水・紙コップ・カップ麺・ティッシュ・電池等が正面入口に並べられています。
懐中電灯に照らされて、仮のレジが設置されていました。
他のコンビニやスーパーの前を通りましたが、どこも営業していませんでした。
この点だけで判断するに、7系は災害に強いかもしれないですね。
 (ショッピングモール内の店は無理かもしれませんが・・・)

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19時頃にアパートメントに戻ったら、予想通り停電していました。
会社から持って来たミニマグライトが役に立ちました!
水道が断水中なのも確認しました。
幸い建物がしっかりしていたおかげで、室内はほぼ変化無しです。
テレビ(25型ブラウン管)は重いせいか、倒れてもいませんでした。
録画済みのDVDが落下して散乱していたくらいです。

とりあえず着替えて小用、水は流せませんが。(笑)
まずLEDライトやトランジスタラジオを探します。
石の展示会に持って行くLEDライトと、WGPやINDYのレースに持って行くラジオが役立ちました。

長野市の妹に状況をメールします。
停電していてケータイに充電が出来ませんから、省エネ対応にします。
バイブをキャンセルし、バックライトを最小にしてから電源OFFしました。
 
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夕食代わりに、前日買い置きしていた「鯛焼き磯辺焼き」と「ポテトマカロニサラダ」を食べます。
カップ麺やカセットコンロ、買い置きの飲料水等はありますが、急いで消費する必要もないです。
そもそも暗いのに無理して探す必要もないでしょう。
停電していてテレビは見られないし、照明も点かないのでやる事もないです。
仕方ないのでラジオを聴きながらLEDライトで雑誌を読みます。
多分、21時頃に就寝。